野口父子の対話(1)

野口晴哉氏が亡くなったあと、整体協会は一方で三男の裕介氏が整体指導者の育成と会員の指導を、他方で次男の裕之氏は晴哉氏の整体技術を理論体系化する役割を担って、二人の本部講師体制をとった。

その後、裕之氏は本部講師を辞め、研究所を整体協会内に設立。

祐介氏亡き後、裕之氏が現在の本部講師を務めている。

その裕之氏が、身体教育研究所発行の『白誌』誌上に父親晴哉氏との対話について自らの野口整体観を添えながら回想し語っている件は、晴哉氏の言説以外に殆ど知る術を持たない私には、驚きの連続であり、興味尽きない魅力的なものに感じられる。

到底及びつくことが出来ない一人の天才を父親に持った裕之氏が、なお父親からの思想と技術を受け継ぐということがどのようなものなのか。裕之氏が見出し、三十年以上の研究により深められ言語化されてきた<内観>という世界は、晴哉氏の思想と技術にどのような新たな彩りを添えることになるのか。興味津々、ワクワクが止まらない。

私は、これまでの<野口整体を愉しむ>という曖昧でいい加減な立ち位置のまま、晴哉氏や裕之氏に恥じることがないよう、私なりの興味に素直に、その<父子の対話>やその意味をこのブログで探索していきたいと考えています。