2020-03-11から1日間の記事一覧

野口整体を愉しむ(再録70)整体操法の基礎を学ぶⅡ(62)気と観察

整体操法の基礎を学ぶⅡ(62)気と観察 明けましておめでとうございます。風もなく澄んだ夜空に星々が煌めいています。2019年が、平穏な日々の繰り返しでありますよう、心からお祈りいたします。遠くの真宗のお寺からは参拝者が順々に突く除夜の鐘の音が響い…

野口整体を愉しむ(再録69)整体操法の基礎を学ぶⅡ(61)四十肩、五十肩

整体操法の基礎を学ぶⅡ(61)四十肩、五十肩 I先生「今日は四十肩や五十肩について、その治し方の練習を中心に説明してみたいと思います。」 副腎に何か異常を起こすと、胸椎の七番、八番の可動性が鈍くなってくる。その後、五年ぐらいして四十肩、五十肩と…

野口整体を愉しむ(再録68)整体操法の基礎を学ぶⅡ(60)上肢操法、下肢操法(その3)

整体操法の基礎を学ぶⅡ(60)上肢操法、下肢操法(その3) I先生。「今日は、下肢の操法について掘り下げてみましょう。」 坐骨操法にしても、アキレス腱部を押さえるにしても、それは足の裏が最後の負担のかかるところだからである。坐骨系統が硬くなってく…

野口整体を愉しむ(再録67)整体操法の基礎を学ぶⅡ(59)上肢操法、下肢操法(その2)

整体操法の基礎を学ぶⅡ(59)上肢操法、下肢操法(その2) 忘れてしまうといけないので、このブログにメモしておこうと思う。先ほど(12月27日 pm.10)NHKEテレの番組、「欲望の哲学史~マルクス・ガブリエル、日本で語る~」(31日の午前0時45分にも再放送…

野口整体を愉しむ(再録66)整体操法の基礎を学ぶⅡ(58)上肢操法、下肢操法(その1)

整体操法の基礎を学ぶⅡ(58)上肢操法、下肢操法(その1) I先生「ムチウチ症で、頸椎六番、七番をこわすと、手の指が痺れるという人がいる。しかし、手が痺れるのは必ずしも頸がこわれたことが原因でないこともある。肘が狂った場合にもそうなるし、手首が…

野口整体を愉しむ(再録65)整体操法の基礎を学ぶⅡ(57)感受性の閾値と潜在的疼痛

整体操法の基礎を学ぶⅡ(57)感受性の閾値と潜在的疼痛 I先生。「初等では痛みを止める操法を練習しました、中等では痛みが操法として利用できることを前提に、あえて痛みを作り出すという練習をしています。今日は、そのことを通じて、痛みの問題をもう少し…

野口整体を愉しむ(再録64)整体操法の基礎を学ぶⅡ(56)痛みはなぜ苦痛なのか

整体操法の基礎を学ぶⅡ(56)痛みはなぜ苦痛なのか 私はいま、パソコンの画面に向かって文字を打ち込んでいるのだが、ふと右手のマウスの矢印の表示が気になってくる。「この矢印って、まるで意識に似ているんじゃないかな」と思えてくる。矢印を動かせば、…

野口整体を愉しむ(再録63)整体操法の基礎を学ぶⅡ(55)痛みを快痛に転換する

整体操法の基礎を学ぶⅡ(55)痛みを快痛に転換する 前回、前々回で「痛み」について野口氏がわれわれに問いかけていることを私なりの言葉で整理し直しててみると、次のように言い換えることが出来ると思う。つまり、「痛み」そのものに対して、われわれは大…

野口整体を愉しむ(再録62)整体操法の基礎を学ぶⅡ(54)痛み、苦しみの心理について

整体操法の基礎を学ぶⅡ(54)痛み、苦しみの心理について I先生。「前回は痛みの質の違いや、その利用について説明しましたが、今日は、もう少し踏み込んで、痛みや苦痛が我々にとってどのようなものかを考えていきたいと思います。」 痛みは、一般的に言え…

野口整体を愉しむ(再録61)整体操法の基礎を学ぶⅡ(53)痛みの質の差異とその利用

整体操法の基礎を学ぶⅡ(53)痛みの質の差異とその利用 整体操法の世界がもつ魅力やその難解さは、それぞれに異なる個々人の「感受性」を対象に働きかけるという、これまで、ありそうでいて存在してこなかった方法によっている。「心それ自体」を対象に言葉…

野口整体を愉しむ(再録60)整体操法の基礎を学ぶⅡ(52)ムチウチ症と被害者の心理

整体操法の基礎を学ぶⅡ(52)ムチウチ症と被害者の心理 ムチウチ症という病名がつく前から、車の追突事故は沢山あった。それが病名がつくようになったら急にその数が増えてきた。それは冬は寒いという観念現象と同じで、ぶつけられたのだから頸が狂った筈だ…

野口整体を愉しむ(再録59)整体操法の基礎を学ぶⅡ(51)整体指導とは何か

整体操法の基礎を学ぶⅡ(51)整体指導とは何か I先生「前回は機と度と言う問題についてやりました。押さえる場所は処の問題で、初等の問題であるが、押さえた場合に、それをどの程度耐えるか、保つかということが度の問題で、放す時機を得るというのが機の問…

野口整体を愉しむ(再録58)整体操法の基礎を学ぶⅡ(50)いつ、どのように放すか

整体操法の基礎を学ぶⅡ(50)いつ、どのように放すか 操法において弛めるということの第一は相手の気を抜くということである。相手の心に抵抗を起こさせるのは下手であって、病気は絶対に治せるというと、治せるものなら治してみろ、という心が起こる。そう…

野口整体を愉しむ(再録57)整体操法の基礎を学ぶⅡ(49)肩の緊張を弛める

整体操法の基礎を学ぶⅡ(49)肩の緊張を弛める I先生「前回、体を弛める方法一つとして、腹部操法をやりましたが、体を弛める方法は他にもいろいろあります。すでにやってきた肋骨挙上もそうですし、後頭部への愉気を用いることもある。いずれも呼吸の問題を…

野口整体を愉しむ(再録56)整体操法の基礎を学ぶⅡ(48)体を弛めるということ

整体操法の基礎を学ぶⅡ(48)体を弛めるということ 「月刊全生」1965.10月号の野口氏の「誕生会」での氏の謝辞には、整体操法の思想の根幹がよく表現されている。野口氏は、整体協会を立ち上げたからには、公共の為に心血を注がなければならないのは十分承知…

野口整体を愉しむ(再録55)整体操法の基礎を学ぶⅡ(47)尾骨操法

整体操法の基礎を学ぶⅡ(47)尾骨操法 野口整体の知というのは、知の為の知ではなく、人間として生きていくために必要とされる応用的な知である。野口氏が、気とは何かという問いに対して、「それは気としか言いようがないのです」という答え方をしているこ…

野口整体を愉しむ(再録54)整体操法の基礎を学ぶⅡ(46)偏り疲労の平均化と眠りの誘導

整体操法の基礎を学ぶⅡ(46)偏り疲労の平均化と眠りの誘導 偏り疲労 体を弛めるということ運動というのは、体が緊(ひきしま)ることと弛むことで、それが繰り返されることで運動になっている。緊張と弛緩。集注と分散。これは人間の体に限ったことでは無く…

野口整体を愉しむ(再録53)整体操法の基礎を学ぶⅡ(45)眠りの誘導

整体操法の基礎を学ぶⅡ(45)眠りの誘導 眠りを深くする操法によって体を無理に治そうとしても、それで治しきれるものではない。その人の持っている力を発揮して、その人の力で治るようにしなければならない。ではどうしたらよいか。それには相手の眠るとい…

野口整体を愉しむ(再録52)整体操法の基礎を学ぶⅡ(44)中等講座における救急操法

整体操法の基礎を学ぶⅡ(44)中等講座における救急操法 I先生「今日は、前にやった救急操法の中等編です。」発熱の見分け方熱が、朝高くて夕方が低いというのは、体のどこかが化膿している状態。朝が低くて夕方高いのはありきたりの熱だが、過労の時や結核の…

野口整体を愉しむ(再録51)整体操法の基礎を学ぶⅡ(43)肋骨挙上法

整体操法の基礎を学ぶⅡ(43)肋骨挙上法 からだの発する声に耳を澄ますとか、その微かな声を解読していくという作業が、いかに難しい事か。この講習記録を進めるほどに、その思いは深まっていく。しかし、われわれのからだ、生きて働いている私たちの身体と…

野口整体を愉しむ(再録50)整体操法の基礎を学ぶⅡ(42)技術に於ける度の問題(二)

整体操法の基礎を学ぶⅡ(42)技術に於ける度の問題(二) I先生「前回に引き続き、度の問題を行ないます。特に頸とお腹の関連を実際に自分の指で確かめて、その時の操法の度の適を得るということを、練習を通して身につけて行って下さい。では始めます。」…

野口整体を愉しむ(再録49)技術における度の問題

整体操法の基礎を学ぶⅡ(41)技術に於ける度の問題 野口整体 整体操法 以下は、I先生から戴いた資料の転載です。I先生は、我々受講者のために、その都度こうした資料を作成して講義に臨まれました。従って、野口氏の口述記録をもとに資料を作成したとはいえ…

野口整体を愉しむ(再録48)整体操法の基礎を学ぶⅡ(40)頸椎ヘルニアの操法

整体操法の基礎を学ぶⅡ(40)頸椎ヘルニアの操法 整体操法の思想や技術を少しずつ順を追って学んでいく。そうすることで初めて見えてくる世界というものがある。朧気ながら感じられてくるにすぎないが、なぜ私が野口整体にこれほど惹きつけられるかという理…

野口整体を愉しむ(再録47)整体操法の基礎を学ぶⅡ(39)頸部操法における肘と手の使い方

整体操法の基礎を学ぶⅡ(39)頸部操法における肘と手の使い方 今日の講義は、新シリーズに入って第二回目の記録です。講義はかなり以前のことでもあり、いまでもはっきりと思い出すことができるものと、まるで忘れてしまっていて改めて新鮮に感じるものとが…

野口整体を愉しむ(再録46)整体操法の基礎を学ぶⅡ(38)生きているということ

整体操法の基礎を学ぶⅡ(38)生きているということ 前回の講習から二か月、I先生のご好意で、新しいシリーズを学ばせて戴けることになりました。このブログでは便宜上タイトル(「整体操法の基礎を学ぶ」)を変更しないままで、標題に「Ⅱ」を付け加えさせて…

野口整体を愉しむ(再録45)整体操法の基礎を学ぶ(37)鈍った椎骨の矯正

整体操法の基礎を学ぶ(37)鈍った椎骨の矯正 ポール・マッカートニーのナゴヤドームライブの余韻に浸ってパソコンに向かっている。今回(11.8)は妻と二人での参戦となったが、数年前の東京ドームでのポールのライブが娘と息子の家族四人でのビートルズ体験…

野口整体を愉しむ(再録44)整体操法の基礎を学ぶ(36)下肢を用いた椎骨の矯正

整体操法の基礎を学ぶ(36)下肢を用いた椎骨の矯正 I先生「前回は脊椎の矯正方法の一つとして足の操法をやりました。今日は、足を使った背骨の矯正についてやってみます。」 足のいろいろな角度で、足を利用して椎骨を矯正していく。そのためには、足が正常…

野口整体を愉しむ(再録43)整体操法の基礎を学ぶ(35)股関節の異常と足の操法

整体操法の基礎を学ぶ(35)股関節の異常と足の操法 治療を捨てて体そだて(体育)に邁進すると宣言した。つまり手技療術による治療法としての整体操法を、治療法としては今後は使わない、と方向転換した。ところで、そのことの趣旨を、うまくとらえきれなか…

野口整体を愉しむ(再録42)整体操法の基礎を学ぶ(34)椎骨の可動性

整体操法の基礎を学ぶ(34)椎骨の可動性 椎骨の観察で特に重要なことは、その可動性を確かめることにある。可動性に異常のある椎骨が悪い骨で、その椎側にも異常がある。背骨は揺すぶると動きます。押さえると、その反動で盛り上がってきます。この押して戻…

野口整体を愉しむ(再録41)整体操法の基礎を学ぶ(33)背骨の観察

整体操法の基礎を学ぶ(33)背骨の観察 この「はてなブログ」の記録を進めながら、ふと気づくと、少しずつ読者の方の眼差しが増えてきていることがわかります。そしてそのことで、とても勇気づけられている自分がいることを感じ、また喜びを感じます。有難い…