母の死

令和元年一月一日、午前2時過ぎ、母は静かに息を引き取った。

行年97歳。医師が「大往生です。体はどこも悪い処がなく、老衰です」と。

母は以前から、私たちきょうだいに「延命治療は嫌だ」と強く宣言していた。

晦日の午後7時ごろ迄は顔色もよく静かな寝息の中にいたが、その後俄かに呼吸が乱れ、慌てて看護士が、強く勧めた酸素吸入の措置も本人の希望によりお断りした。

呼吸の乱れは暫くして再び静かな寝息に戻り、姉や妹が寄り添って見守るなかで、驚くほど静かに、気づかれることなく息を引き取ったと言う。

私はその日のお昼に、妻や娘夫婦、孫とで母と会った際には、生後半年のひ孫の声に強く反応して目を開けようとしている母がそこにいたのに・・・。

葬儀社に連絡、友人の僧侶に枕経を依頼、翌日の葬儀、告別式、初七日を終え、やっと元旦の一日間を今振り返っている。

真宗大谷派の流儀に沿って、友人の僧侶と、その逞しく聡明な印象のご子息僧侶のこころのこもった読経が、親族を包み込み、われわれを癒してくださった。

かなり疲れた二日間となったが、母との数えきれない思い出をもう一度想い浮かべながら床に就くことにします。

そして、いつもながらの妻の献身に感謝。